----- 2007/11/24 -----   マノエル・ド・オリヴェイラ監督”神曲”を観て思うこと・・・
マノエル・ド・オリヴェイラ監督1991年制作作品”神曲”を観た。アダムとイブ、キリスト、預言者と哲学者、罪と罰、カラマーゾフの兄弟などの人物になりきった精神異常者たちのシーケンス、神と人間との物語 ・・・そう言う特殊な状況設定がよりいっそう深い印象を与える作品である。またその作品を観る前にレフ・クリジャーノフ監督1970年制作作品”罪と罰”を観た直後だっただけに”神曲”はよりいっそう興味を持って観たのだ。そして私は前回にも書いているが、宗教とは無関係な生き方をしているし、無神論者でもあるがそれでも興味を持つ作品である。よくこう言う映画を創ったものだと、ヨーロッパの文化に感心した。この監督の他の作品はまったく知らないが、観てみたいと思わせる監督である。プロフィールを調べてみると・・・1908年生まれのポルトガルの監督で、本格的に作品を創るようになったのは60歳を過ぎてからだということだ。そして現在も新しい作品を創り続けているという・・・なんとまさにミラクルだ。

----- 2007/9/9 -----   ピエル・パオロ・パゾリーニ監督”テオレマ”を久しぶりに観て思うこと・・・
ピエル・パオロ・パゾリーニ監督の1968年制作”テオレマ”を久しぶりに観る。この作品は最初学生時代に観て、美術仲間と話した事を思い出す。その中にはクリスチャンもいた。私は宗教とは無関系な生活を送っていたので、宗教的生活を送っている者がこの作品から受ける印象は、違ったものだったろうが、それはもう遠い思い出でしかない。ランボー詩集、フランシス・ベーコン画集、絵を描くということへの取組み方などパゾリーニ的アプローチに興奮したものだ。また右手を固く握り締め開くことの無い信念の娘が、その当時溜まり場だった喫茶店の親しくしていたウェイトレスに似てたこともあり、そんなことが思い出され、感傷に浸った。

----- 2007/8/30 -----   再びミラクルに関して・・・人の身体能力
■ 世界陸上・大阪を毎晩観ている。特に100、200メートルに関心があり、ゲストに出ていたカール・ルイスを観て嘗ての彼のレース100,200、ロングジャンプ等をかなり観ていて、その頃の興奮を懐かしくを思い出した。100メートルを9.85秒で走る、ロング・ジャンプで8.57メートルを飛ぶ、ハイ・ジャンプで2.35メートルを飛ぶ、なんとミラクルだ。人の身体能力はどこまで伸びるのだろうか?来年は北京オリンピック、愉しみだ!

----- 2007/7/22 -----   人生のミラクルに関して
■ 宇宙・銀河・太陽系・地球の誕生そしてこの地球上において35億年前の海に生命が誕生し30億年の水中での生活から陸上をめざす。そして30メートルを越す巨大な恐竜達が足跡を残し滅びてゆく。その後生き延びた哺乳類は、頭脳を持った人類へと進化してゆく。そしてこの脳の働き、記憶のメカニズム等の関連資料を読んでいた。数100万年の間に人類が残してきた科学・芸術はミラクルだ。真理を知ることはミラクルだ。ルネッサンス、バロック、ロココ・・・ミラクルだ。アインシュタインは言っている
There are only two ways to live your life, One is as thought nothing is a miracle, The oher is as thought everything is a miracle.

----- 2007/4/30 -----   モンマルトルの青春の画家たち と 赤い風車
■ ”モンマルトル 青春の画家たち”を読んで、ムーラン・ルージュとロートレックとの関わりなどに思いをめぐらせていた。そして映画”赤い風車”ジョン・ヒューストン監督、1952年制作のDVDを千葉のショップで見つけさっそく買って観た。ムーラン・ルージュの雰囲気はあんな感じだったのかとか踊り子たちや歌手たちがロートレックに恋や悩みを相談してたとか、19世紀末のモンマルトルでのロートレックを取り巻く雰囲気がとても良い。映画の中では言っていなかったがロートレックは、コニャックを浴びるように飲み、”人生はどうせ道化のようなもの”と口癖のように言っていたとそして同時代のモンマルトルの青春の画家たちのようにアルコールに溺れながら制作し、若くして才能を散らして逝った。ピカソが言った”芸術は悲しみと苦悩から生まれる”を思い出しながら観た。

----- 2007/4/15 -----   良い季節とウグイス と セザンヌに関して
■ お花見も終わり風の冷たさも感じない良い季節になった。ウグイスの鳴き声が凄く近くから聞こえるどうも家の庭の欝蒼と葉が茂っている桑の木にいるみたいだが姿を探すも見つけることは出来なかった。そんな中で”モンマルトル青春の画家たち”を読んでいてセザンヌに関する興味深い事が書かれていた。それは1869年にシャビウスがセザンヌに行なったアンケートだ。
  Q:あなたの好きな色は?
  A:全体の調和です。
  Q:あなたの好きな香りは?
  A:野原の香りです。
  Q:あなたの好きな仕事は? 
  A:絵を描くことです。
  Q:一番好きな気晴らしは?
  A:泳ぐことです。
  Q:どこに住みたいですか?
  A:プロヴァンスとパリです。
  Q:画家は誰が一番好きですか?
  A:ルーベンスです。
  Q:あなたが認めるセンスある言葉をお書きください。 
  A:神よ、あなたは私に力と孤独を与えられた。どうか大地の眠りのように私を眠らせてください。


----- 2007/4/1 -----   世界水泳 メルボルン 2007 観戦して想うこと
■ ここ1週間程毎夜”世界水泳 メルボルン 2007”を観ている。私も高校の時、水泳部に所属してた事もあり、興味を持って観ている。私の場合は、遊びでやっていたので本当の練習の苦しさは解らないが、それでも1500mを泳ぐ苦しさは、実感している。平泳ぎの北島とハンセンの闘い、背泳ぎの中村、自由形の柴田選手達に応援してあげたし、それに答えて頑張ったのだ。それにしてもマイケル・フェルプスは凄すぎる。嘗てイアン・ソープの6冠に驚かされたが、7冠なのだ。しかも5つの世界新記録、驚きだ。1つの種目に世界新を出すのにさえも大変なのに何と言うことを・・・競泳ではこういう大巨人が出てくるのだ。嘗て7冠を取った大巨人マーク・スピッツがいた。30数年後にフェルプスが・・・

----- 2007/2/18 -----   レオナルオ・ダ・ヴィンチの壁画に纏わる想い
■ 昨夜からの雨が降り続いている。どんよりした鉛色の空・・・そんな中で凄いニュースを見た。レオナルド・ダ・ヴィンチの壁画の所在を探す本格調査が今春、イタリア中部フィレンツェのベッキオ宮殿(現市庁舎)で始まる。壁画は長年、消失したとされてきたが、近年の科学調査で別の大壁画(1563年、画家で建築家のジョルジョ・ヴァザーリが同室を大改築し、自分の絵を全壁面・天井面に描いた)の裏に埋もれている可能性が高まっている。名画はよみがえるのか。というものだ。1975年から2年間の調査で、天井画の隅の小さな旗の絵に「探せば、見い出される」という奇妙な言葉があるのを発見した。これは「ダビンチの大の賞賛者だったヴァザーリが、改修を命じられながら、自分の壁画の裏にダビンチの絵を守り、後世に残したメッセージ」ではないかということだ。500年の年月が経ってヴァザーリの壁画の裏からダヴィンチの壁画「アンギアーリの戦い」が現れるのだろうか?20数年前にダヴィンチの生涯をTVで観た。まだ小さき少年が野原で草木、蝶、虫などをスケッチしている瑞瑞しい映像が鮮明に頭を過ぎった。

----- 2007/2/12 -----   日差しの穏やかな良い冬の1日
■ 日差しの穏やかな良い日だ。窓から眺めると隣の畑に赤や白の花が咲いている。梅や桃の花である。風も無いので窓を開けると直接日の光が差し込み気分も晴れやかになる。近くの雑木林からは小鳥のさえずる声がにぎやかだ。春を待ちわびる気持ちは人も小鳥も同じなのだろう。シェリーの詩の一篇を思い出す。 
If winter comes, Can spring be far behind